HP DC5750

2年ほど前にハードディスク交換の修理をさせていただいた春日市のお客様。
今回は「サポートが終わったXPをWindows7にしてもらいたい」とのご依頼。
当機はメーカー発表が2006年12月。CPUは廉価版のSempronからデュアルコアのAMD Athlon X2までの構成です。
お客様の機種は一応デュアルコアのX2 3800+(クロック2GHz)が搭載され、メモリーは1GB。XPを動かすには十分なスペックですがWin7となるときびしいですね。このパソコンは亡くなったご兄弟の形見だそうで、動くうちは処分したくないとのご希望ですのでご協力しないわけにはいきません。
このままでもWin7が動かない訳ではありませんが、快適に使用していただくには、高クロックのCPUへの換装とメモリーの増設が必要です。
調べてみたところ、発売時のCPUラインアップに最大2.6GHzのAthlon X2 5200+があります。当初はこれへの交換へ傾いていたところ、さらにググってみると、BIOSを書き換えればAthlon X2 5050e(2.6GHz)も利用できるという情報を入手しました。5050eは5200+と同じクロックながらTDP(最大放熱量)が65Wに対して45Wという省エネ・低発熱設計の優れものです。

もちろん、今時この石(CPU)が新品で売っているはずも無く中古での調達となります。
中古パーツのリスクを説明し了承いただいた上で、BIOS書き換え、CPU交換、メモリー増設、Windows7のインストール作業に取り掛かることとなりました。一応BIOSアップデートの手順を書いておきますすが、実行される方はあくまでも自己責任で。失敗するとBIOSが起動すらしなくなります。
この機種のBIOSはここから入手できます。画像認証を行った後でSP5788.EXEというファイルをダウンロード。このファイルを実行すると、どの方法でアップデートするか聞いてきます。以前はFDDを用意して起動ディスクを作り・・・・。というややこしい手順が必要でしたが、ここで最上段の「I want to update my BIOS in Microsoft Windows OS」をクリックして選択すると、Windows上でBIOSの書き換えが簡単に完了します。XP上でも問題なくできました。
後の詳しい説明は省略させていただきますが、CPUを換装し、メモリーを4GBに増設。事前に情報を得ていたとはいえ、さすがに初回の起動時には緊張が走ります。HPのBIOSはハードウエア構成が変わった場合F1キーを押下しないと起動しませんのでこれを抜けるとXPが以前とは雲泥の差の勢いで起動しました。Win7 Home Premium(中古PC再生版)をインストール、データ移設、各種設定を行い完了です。
無事Windows7が起動後、WindowsUpdate
CPU、メモリー、OS等の原価、工賃、データ移設、各種設定、各種ソフトインストール諸々含めて税込21600円の作業となりました。
「もう処分しなければいけないかとあきらめかけていたので嬉しいです。マザーボードが駄目になるまで大事に使います」と大変喜んでいただきました。