新しいパソコンを買ったらまず、何をしますか?
最近は量販店でパソコンを購入した場合、依頼すればOSの初期設定は済ませてくれるようです。
初期設定でユーザー名やパスワードなどの設定が完了して初めて起動できる状態になるわけですが、それでは持ち帰ってまず何をしますか?

インターネット接続設定?メールの設定?セキュリティの設定?
答えはすべてNO!です。

まずマニュアルに目を通してください。マニュアルの中でリカバリー、初期化というキーワードを探してみましょう。
リカバリーディスク(再セットアップディスク)の作成という項目があったら、お楽しみは後にとっておいてください。
初めにすべきことは「リカバリーディスクの作成」です。メーカーによっては「再セットアップディスク」と呼んでいますが。
後述しますがパソコンで最も故障しやすいのが、Windows・アプリケーションソフトのプログラムやお客様が作成されたデータが格納されているハードディスクです。
高速で回転する磁気ディスクにデータを書き込んでいるため数年で消耗してしまい、ひとたび故障すると、データが読めなくなるどころかパソコンが起動すらしなくなります。

弊社に限らず、パソコンの修理で一番頻度が高いのがハードディスクがらみの修理です。
「昨日まではちゃんと動いてたのに・・・」「さっき、急に動かなくなった!」お客様からいつも聞くお言葉です。
ハードディスクは早くて3年、平均すると4、5年程度で壊れます。もちろん10年程何事も無く動く場合もあるのですが。
大事なことなのでもう一度言います。ハードディスクは必ず壊れます!

昔のパソコンにはパソコンと一緒に数枚のCDやDVDのリカバリーディスクが同梱されていましたが、最近のものはハードディスクの中にリカバリー領域というものが設定してあり、そこからリカバリーするような仕組みになっています。
ということは、ハードディスクが完全に壊れてしまった場合、当然リカバリーもできない、ということになります。
ショップブランドのパソコンや一部メーカーのパソコンには今でもリカバリーディスクが添付されているものもありますのでその場合は作成の必要はありませんが、国産メーカー大手のNEC、富士通などの最近のパソコンにはほぼ入っていません。

富士通リカバリーディスクリカバリーディスク作成ツールで作成したリカバリーディスク

 

 

左が富士通ノートパソコンの製品添付のリカバリーディスク右は購入後作成したNEC Lavieノートのリカバリーディスク

 

ハードディスクが壊れたら新しいものに交換すればパソコンは復活できるのですが、ここで必要になるのがリカバリーディスクです。
新しいハードディスクにはプログラムやデータは何も書き込まれていません。リカバリーディスクがあって始めて購入時の状態にパソコンを戻せるのです。
ハードディスクの交換はメーカーに出すと3万~5万円、弊社でも2万円弱です。リカバリーディスクはメーカーから購入もできるのですが、安くて5千円~1万円程度はかかります。突然のハードディスククラッシュで出費となる中で、ディスク代くらいは節約したいものです。それにメーカーの保存期限を越えた機種は購入できないこともあります。
リカバリーディスクの作成はそれなりに時間は掛かりますがそれほど難しいものではありません。
マニュアルに書いてありますのでその通りにやっていけばほとんどの方は無事完了できることでしょう。ただ、作成には書き込みのできるDVD DVD-Rというものが数枚必要です。パソコンを購入した店舗で一緒に買っておいてください。ブルーレイドライブが内蔵されている機種はブルーレイで作成できますので、BD-Rディスク1枚で作成可能かと思われます(機種によって異なりますのでマニュアルを参照してください)

問題なのはこれだけ大事なことなのに、マニュアルの片隅に数ページしか記述がないことです。リカバリーディスクの添付が無くなったのはわずかでも原価を下げる企業努力なのでしょうが、これではユーザーサイドに立ったシステムとは到底言えません。
私がメーカーの担当者なら、箱を開いてすぐ分かるところに、デカデカと次のように朱書きしておきますね。
まずはリカバリーディスクの作成!お楽しみはそれからだ!(笑)