ある日の午後、事務所の電話が鳴りました。
片言の日本語で「エイセルのLCDヲ シュウリシタイデス」
外国のお客様は珍しくないのですが、一瞬緊張が走ります。
「エイゴ ハナセマスカ」
卒業以来、数十年ほとんど英会話の機会などありません。
仕事柄、横文字を読み書きすることは多いものの、パソコンの修理に関わる会話を成立させる自信などあるはずも無く…。
「すみません。話せません。」即、逃げてしまいました。
それでも「エイサー ノートの液晶割れだな」くらいはすぐに分かります。
お話を聞いてみると、ディスプレイを閉じた状態で上から踏んでしまって何も映らない状態とのこと。
日本語がお上手なお客様で良かったです。
持込み直後は電源を入れても画面は真っ白で部分的に割れた跡が見えるだけ。
念のために外部ディスプレイに接続して確認してみました。
右画像のように問題なく表示していますので問題は液晶パネルだけのようです。
この機種は液晶パネルの交換が比較的簡単で、パネル部分のみの分解で事足りました。
パネルカバー下の左右に隠しネジが2箇所あって、これを外すとあとはプラスティックのラッチ(ツメ)で止まっているだけです。
パネルカバーを折らないように注意する必要はありますが、ものの5分程度で液晶パネルが露出します。
液晶は6箇所ビスで固定してあります。これを外して型番をチェック。
パネルは全く同じ型番のものは国内在庫がありませんでしたが、最近お世話になり始めた仕入先に相談すると互換品の在庫があるとのこと。
液晶パネルの場合、純正品という概念はほとんどなくパネルサイズ、接続ケーブルのピン数などで互換性があれば代用が可能です。
新品のパネルに交換してこの通りきれいに画面表示できて修理完了。
お持ち込みで部品代、工賃合わせて16,000円(税抜)の修理となりました。
実は今回の修理には余談がありまして
初回お電話をいただいた際に見積もり額をお伝えすると
「ソンナニ タカイデスカ、ワカリマシタ」と一旦電話を切られました。
ノートパソコンの液晶パネル交換をこれ以下でやるところはおそらく近場では無いだろうな、という自負がありましたのでまた電話はかかってくるだろうと予感していましたがしばらく時間を置いて直接来店されました。
後で聞いた話では、他社の電話見積もりで3万円という金額が出たそうです。
引き渡しの日はあいにくの雨で自転車で来店されていたため雨脚が弱まるまでしばらくお話をさせていただきました。
イランから近くの大学に留学されているそうで、色んなおもしろい話をうかがったのですが個人が特定されてしまうため割愛します。