大野城市から持込みで初めてご依頼いただいたお客様。
パソコンは少々古めのXPノート(Pentium M 1.6GHz)ですがメモリーが2GBに増設されているのでまだまだ十分現役で働けるレベルです。
小さな子供さんの粗相で濡れた床面にノートパソコンがあり、底面が水没?してしまったそうだ。
慌てて拭いて乾燥させたとのことですが、1、2度は起動したものの現在は電源を入れても1秒後にはプスンと落ちてしまう状態とのこと。
チェックのために電源を入れてみると、画面に大きなノイズが入るものの何とかデスクトップ画面までは表示できました。
「あれっ?立ち上がっちゃった」とお客様は不思議そう。
不具合のあったパソコンが持ち込まれて起動してみると何ともない、これは我々の業界ではあるあると言って良いかもしれません。
ただ今回はしばらくすると、フリーズしてしまい、次からはお客様が言われる通り電源を入れてもすぐに落ちるという現象が再現しました。
画面に酷いノイズが入る、BIOSが起動する前に電源が落ちるという挙動からするとメモリー異常の可能性が高いのですが、一応定番のハードディスクエラーをチェックしてみます。
現在主流のSATA接続ではなく、UltraATAの160GBのハードディスクが入っていました。ATAのものは作業マシンのHDDコネクターがありませんのでUSB変換アダプタを使って接続します。
ハードディスクは問題なく認識できて内容が確認できました。
続いてメモリーです。今となっては古い規格のDDR333(PC2700)のメモリーが搭載されています。
1GB×2枚のメモリーを取り外して手持ちの512GBを入れてみます。すぐに電源が落ちていたものがTOSHIBAのロゴとともに無事BIOSが起動。OSのWindowsXP Proが起動しました。
2GBから512MBにサイズダウンされているのでもちろん激重です。
これでメモリー異常が確定しました。
よく見るとメモリーの端子にサビとショートの跡?がはっきりと見て取れます。ここまではっきりしたメモリー故障は初めてです。
もちろん水害に遭っている訳ですからメモリー以外にも問題が発生している可能性があります。
一旦預かりとさせていただき、しばらくこの状態で動作検証してみることで了解をいただきました。
お客様が帰られてテストを続けたところ、頻繁にフリーズ、ブルースクリーンを繰り返すのでマザーボード等他のパーツにも問題が発生しているのかと疑い始めたのですが、メモリーを差し込むスロットの端子にもメモリーモジュールと同様にサビの跡が残っていました。
これではまともに動くはずがありません。
メモリースロットの端子部分を無水エタノール(アルコール)を浸した綿棒で丁寧に拭き上げ、ブロワーでホコリを飛ばすとピカピカに復活。
メモリーを刺し直してテストを続行。今回はフリーズやブルースクリーンに陥ることもなく安定して動いています。
幸いメモリー回り以外のトラブルはなさそうです。
診断結果をお客様に連絡してメモリー交換を実施することで同意をいただきました。
メモリー交換後、MEMTEST 86+(フリーソフト)にてチェックを実施。4周回してエラーが派生しないことを確認してお客様に納品しました。
DDR333/1GBメモリー2枚を交換、診断と交換工賃で6,000円(税抜)の修理代金となりました。